そのニオイ、水に流して。
口臭にいつも優しいアイツとは?
〜口臭予防と唾液の関係〜
基礎研究室
2017.7.11
「口の中が渇いている」と感じたことはありませんか? たとえば人前でスピーチするなど緊張する場面で、口がカラカラに渇いてしまった経験をした人は多いのではないでしょうか。口が渇いた状態になるのは、緊張やストレス、薬の副作用などにより、唾液の量が少なくなることが原因です。そして、もしかすると、その口の渇きが口臭を強くしている原因になっているのかもしれません。
じつは、唾液と口臭はとても密接な関係にあるのです。その前に、唾液のさまざまな作用を見てみましょう。
唾液の主な役割
口臭予防の役割
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自浄作用
口の中を湿潤状態に保ち、絶えず洗い流す
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抗菌作用
唾液に含まれる抗菌物質によって、粘膜を防御する
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緩衝作用
口の中のpHを一定に保ち、細菌の繁殖を抑制する
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保護作用
舌などの口の中の粘膜の表面を覆い、粘膜を保護する
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消化作用
唾液中のアミラーゼによって、でんぷんを加水分解する
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味覚作用
食物中の味覚物質を溶かし、味を感じるのを助ける
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潤滑作用
舌、口腔内の粘膜表面を覆い、咀嚼・嚥下・発声を滑らかにする
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再石灰化作用
初期のむし歯部分の再石灰化を促進する
唾液がこんなにたくさんの役割を担っているとは、ちょっと驚きですね。唾液は、口臭予防についても重要な役割を果たしています。こうした作用が弱まってしまうと、口の中が不潔になり、口臭が発生しやすくなるわけです。
口が渇いている感じがする、唾液が少ないなと感じたときには、唾液分泌を促す方法を試してみるとよいでしょう。唾液腺をマッサージする、舌の運動をする、よく噛んで食べる、適度な量の水分を摂取する、等がおすすめです。
<唾液腺マッサージの方法>
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耳下腺(耳の下の部分)
上の奥歯のあたりを後ろから前へ回すようにマッサージします。
10回くらいやりましょう。 -
顎下腺(耳の下の部分)
耳の下からアゴの下あたりを指先で押すようにマッサージします。
5回くらいやりましょう。 -
舌下腺(舌の付け根の真下のアゴの部分)
アゴの下を親指で押すようにマッサージします。
5回くらいやりましょう。
<舌の運動>
舌を前後に出したり引っ込めたり、できるだけ前に出して左右に動かしたり、舌先で円を描くように大きく回しましょう。
・川口陽子監修『「息さわやか」の科学』
・Lideaサイト
https://lidea.today/articles/497