適切な距離とさわやかな息が好印象を与える! 〜パーソナル・スペースと口臭ケア ビジネス編〜

作法指南室

2017.9.29

ある日の口臭科学研究所。朝から疲れた顔で出勤してきた若手研究員。
その理由とは?

ベテラン研究員
口臭科学研究所
ベテラン
研究員
若手研究員
口臭科学研究所
若手
研究員
若手研究員
いやぁ、今朝も電車が激混みで、さらに隣の乗客同士が“カバンが当たった”“当たっていない”で一触即発な感じになっちゃって…。もう参りましたよ〜。
ベテラン研究員
それは朝から大変だったね。満員電車はパーソナル・スペースが確保しにくい場所だから、そういうことが起こりがちだね。
若手研究員
パーソナル・スペースですか?
ベテラン研究員
そう、パーソナル・スペース。個人が持つ“なわばり感覚”のようなものだね。他人が侵入してくると不快に感じる距離であり、相手との関係性などによって、その距離感は異なる。個人差はあるが、見ず知らずの他人に対しては警戒し、その距離は広くなりがちだ。だが、満員電車や狭いエレベーターの中などでは、どうしてもパーソナル・スペースは確保しづらくなるね。
若手研究員
なるほど。満員電車だと、隙間なんてないくらいぎゅうぎゅうですもんね。パーソナル・スペースが確保できないことで、イライラ…というワケですか。
ベテラン研究員
そう。そういう面もあるね。そして、そんな狭い空間でパーソナル・スペースに侵入され、さらに、その相手に口臭があったとしたら…?
若手研究員
わぁぁ〜!それは考えたくないですねぇ。

パーソナル・スペースを知ることで良好な人間関係を築く

では、もう少し詳しくパーソナル・スペースについて説明しましょう。その距離感には個人差はありますが、誰もが持つパーソナル・スペース。その距離を越えて接近されることで、直接何かされたり、言われたわけではなくても、相手を不快に思ったり、嫌悪感を抱くことがあります。

例えば電車に乗ったとき、他に空いている席があるにもかかわらず、自分の隣に座られて「なんだかイヤだな…」と感じた経験は、多くの人にあるのではないでしょうか?

アメリカの文化人類学者エドワード・T・ホールは、社会生活の中で使い分けられるパーソナル・スペースについて、大きく4つのパターンに分類し、それぞれが、さらに近接相と遠方相に分けられるとしています。

4つのパーソナルスペース 4つのパーソナルスペース

パーソナル・スペースが保ちにくい場面では口臭に要注意!

パーソナル・スペースは、人が快適に過ごすために必要な空間。しかし、満員電車やエレベーターだけではなく、ビジネスのシーンでも、相手のパーソナル・スペースに侵入してしまうことは少なくありません。

それほど親しくない、ビジネス上の関係でのパーソナル・スペースは、「社会距離(120〜360cm)」。オフィスの広さなどにもよりますが、初対面の相手との名刺交換、商談、会議などのシーンを考えると、120〜360㎝という距離を常に保つのは、難しいときもあります。

パーソナル・スペースが確保しづらい場面において、人は不快になったり、相手に嫌悪感を抱いてしまうことも。その相手の服装や髪型が不潔であったりした場合は、さらに印象を悪くしてしまうことがあります。口臭もそのひとつです。

口臭科学研究所では、「息がどこまで届くか」を実験。ビジネスでありがちな、デスクでの会話や立ち話、面接、会議などの場面では、相手に息が届いていると可視化されました。

これらはパーソナル・スペースを保ちにくい場面でもあるだけに、口臭のある息が相手に届いているとしたら…。相手に不快に思われることで、せっかくのよい企画や提案も、受け入れられなかったり、評価を下げてしまうことがあるかもしれません。

「息の可視化実験で息はどこまで届くのか確かめてみた!」(詳しくはこちら

上下関係とパーソナル・スペース

パーソナル・スペースは年齢とともに変化するとも言われています。子どもの頃のパーソナル・スペースは狭いですが、自立心の芽生えとともに広がっていき、40歳頃がピークに。その後、身体的な衰えから他人への依存行動が増えることで、パーソナル・スペースも狭くなると考えられています。

多くの人が、新社会人からベテランになる20〜40代は、まさにパーソナル・スペースが広がっている時期。同世代だからといって、いきなり慣れ慣れしい態度をとったり、先輩や上司に無作法に近づきすぎて失敗してしまうことも考えられます。

あなたが先輩で、後輩や部下に接するときも同様。パーソナル・スペースは、年長者や地位が上の人に対して、広くなるという説があり、あなたが親しみの感情から近づいたとしても、後輩や部下は居心地悪く思っている場合もあるのです。

口臭ケアを習慣にすることで好感度をアップ

ビジネスのシーンでは、いつでもパーソナル・スペースが確保できるとは限りません。そして、自分や自分の提案をアピールするために、あえてパーソナル・スペースを越えて、相手に接近することもビジネスでは必要ですよね。だからこそ、相手にとって好感度が上がる態度や身だしなみであることが大事。パーソナル・スペースに侵入しても、不快感を与えないだけではなく、かえって好印象につながり、相手との距離がググッと近づくこともあります。

そのためにも、普段から食後には歯みがきをする習慣をつけ、口臭ケアをしっかりと行いたいですね。相手との距離が近くなると考えられる面接やミーティング、大切なプレゼンなどの前には、殺菌効果のあるマウスウォッシュを使うのも効果的。口臭ケアを行っていることで、積極的な発言や自信を持ってプレゼンを行うことができそうです。

相手との距離を考えながら、さわやかな息で印象をアップ!良好な人間関係を作り上げましょう。

●参考
  • 渋谷昌三著 新講社『「人との距離感 」が上手い人 下手な人』
  • 渋谷昌三著 NHKブックス『人と人との快適距離感 パーソナルスペースとは何か』
  • エドワード・ホール みすず書房『かくれた次元』

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